「ゼロになるからだ」
2011年 09月 21日
この本と出会ったのはあおぞら文庫を初めてすぐの頃だった。
それまでのわたしは自分のためだけの本を選んでいた。
興味の趣くもののみを対象にしていたのだけれど
それでは売れるものはほんとうに少ない。
あちこち見て歩いている時に出会ったこの本。
ゼロになるからだ。。。連想される
自己啓発とか、精神世界のことか?
しかし、この表紙の雰囲気はなんだろう。
アフリカをモチーフにした焼きもののオブジェだろうか。
著者の覚和歌子さんもまた初めて目にした方だった。
ぱらぱらと捲ってみれば
小説とは違う、詩のようだ。
表紙が、どうにも気になったのは、
中島らもさんの“ガラダの豚”を思い起こさせたからだ。
家に持ち帰っていそいそとそれを読み出した。
わたしのとっての詩という概念が
いっぺんで吹き飛んだ。
その概念がいかに薄っぺらなものだったか。
この本は密かな人気らしく、仕入れてもすうっと買い手が付いてしまう。
しかし、縁があるのだろう、
売れてもまたどこかですうっと出会うのである。
短編小説とも違う
物語が、独特な言葉のステップで軽妙に語られて行く不思議世界。
紡いだされた世界の不思議さを空想と言わずなんと言えばいいのか、
とてもおすすめの詩がたくさん編まれています。
空想書店10月(クウソウ・カイソウ)に出品予定です。
by 宙
by Qu-So
| 2011-09-21 18:47
| 10月